『第23話「さーてお仕事お仕事♪」』
「さて政宗様。今日も又何処をほっつき歩いていたかは知りませんが、仕事だけはきちんとして頂きますよ」
ドン!と勢いよく机に置かれた沢山の巻物。
その多さに思わず顔をそらす政宗。
「こんなに出来るわけねーだろうが。俺を過労死させる気かお前は」
「むしろ私が過労死する勢いです。政宗様がこの前いきなり戦やるとか言い出すからこんなに溜まったんでしょう。
さっさとやらないと吊し上げて火であぶりますよ」
目が本気だった。
このままサボり続ければ、まず間違いなく小十郎は自分を死んだ方がマシだと思う位の拷問をするに違いない。
命の危険を察知し、しぶしぶ仕事に手を付け始めた。
「では私は仕事の続きをしますのでこれで。殿はいかがなされます?政宗様が仕事中退屈でしょう。成実を呼びましょうか?」
「いえあたしは伊達ちゃんの仕事隣で見てます!サボらないように監視してますから」
「分かりました。それならばこれを…」
「?」
渡されたのは一本の刀。
政宗が普段所持している刀より一回り小さい。
「次襲われたらこれでたたっ斬って下さって結構ですから。思い切りが肝心ですよ」
「そういうのは本人の前で言う事じゃねえだろ」
「はい!分かりました!思い切りが肝心なんですね!」
「お前も頷くな!!」
あれから1時間が経過した。
机に山積みにされていた巻物は少しずつその量を減らしていく。
この分だと今日中には片付きそうだ。
チラッと隣を見ると、監視をしていたは政宗が仕上げた巻物に興味津々に目を通している。
しかし何故か眉をしかめていた。
「どした?何か書き間違いでもあったか?」
「違うんです…えっと…大変言いにくいんですけど…」
「?言ってみな」
「伊達ちゃんって字…下手?」
「…あ?」
「ミミズみたいに字と字が繋がってて読めませ「んな事言うのはこの口かこの口か〜?」
「いひゃひゃひゃひゃ」
昔の人が書く文章は、字と字が繋がるように書かれてある為、現代の人間には読みづらい。
余談だが管理人が大阪城に行った時に見た秀吉に送られたであろう手紙の文章もそんな感じで書かれてあり、
「読めないよセニョリータ!」と心の中で叫んだ位読みづらかった。
「あのなぁ自慢じゃねえが俺の字は達筆なんだぞ」
「達筆?よく分かりませんよこれじゃ。しかも最後辺り英文になってますし…」
「そういうお前の字はどうなんだよ。この俺の字を下手呼ばわりするからには余程達筆と見たが」
「あたし下手ですよーほら」
小筆で自分の苗字と名前を紙に書いて政宗に見せる。
「…何だこの丸い字」
現代では丸文字と言う。
「どうです?」
「一つ訂正しろ。お前の苗字はじゃなくて伊達だ」
「ええっ!?そっちですか!?」
結婚なんてしてないのに…それにしても苗字が伊達かぁ…伊達…しっくり来ないかも(笑)
「どーせ近い内にそうなるからな。さっさと祝言すませて前田の夫婦みてえになるか」
「あのー…あたし甲斐に帰らなきゃ」
「言っとくが俺はお前を信玄公の所に返すつもりはねえ。you see?」
「そんなー!!ただでさえ大怪我した佐助が心配で気になってんのに!!」
佐助…あぁあの武田の忍か。
政宗は迷彩の忍装束を纏った男を思い出す。
それと同時に苛々してきた。
おそらくは嫉妬だろう。
想い人の口から他の男の名が出れば、あまりいい気はしない。
そんな政宗をよそには何とかして自力でここを出なければと考え始めた。
「あのって子に随分御執心みたいだね」
「そのようだな」
さて天井裏から二人の様子を覗き見…いやいや偵察している謎の男二人。
少し童顔が入った背の低い方を望月、そして望月とは対称的に鋭い目付きの長身の方は霧隠という。(Gallery参照)
この二人は佐助が率いる真田十勇士のメンバーで、今回命令により米沢城に忍び込んだ。
目的は言わずもがなの奪還。
本来ならば川中島の合戦が終われば甲斐に帰還との事だったが、本陣で安静にしていた佐助はがさらわれたと幸村から聞き、
体中から血を出しながらも(流石に目と鼻からは出してません)命令を出し、そして霧隠と望月が選抜されたのだった。
その時二人は「ちゃんが伊達の旦那の毒牙にかかりそうならとりあえず命に代えてもあの変態をぶっ殺せ」と物騒な事を最後に言われた。
幸村も行くと駄々をこねたが、体制を立て直す為一旦甲斐に戻った。
それに幸村と一緒に行動すれば何かと目立つ。
「あのさぁ霧隠…」
「なんだ」
「こう無駄にでかい城見たらさー何て言うか…爆破したくならない?」
「ならん」
普通におっそろしい事を素で言ってのける望月を軽く一蹴。
彼は望月の爆弾発言には慣れている。
「折角新型の爆弾持ってきたのに…」
そんなやり取りをしながら二人はの奪還の機会をうかがっていた。
「あっ…そういえばあたしの制服何処行ったか知りませんか?」
「制服?何だそれ」
「ほらあたしがここに来る前まで着てた短い丈の…今着物なんで動きにくいんです…」
「あれならお前が城に来た時に洗ったぜ。何せボロボロだったからな」
かすがに捕まった時に引きずられた為、制服は泥だらけでところどころ破れていたのだ。
「そうですか!で…誰が着替えさせてくれたんですか?」
「俺」
「心なしか体も綺麗になってるんですが」
「洗ったからな」
「ちなみに誰がですか?」
「俺」
「有難うございます♪」
「おう」
「…何て言うと思ったかー!!!!!!」
政宗の鳩尾にの拳が炸裂!!
例の謎の馬鹿力で政宗は吹っ飛んだ。
「何で女中さんじゃないんですかー!?」
「最初は女中が来たんだが俺がやりたいって言った」
「自ら志願しないで下さい!!そして鼻血を出さないで欲しいです!!」
「なかなかいいもん拝めて良かったぜ」
「さいってぇー!!!!!!!」
もうお嫁にいけません!と付け足した。
「…殺っちゃっていい?」
「好きにしろ。俺が許す」
ただし政宗が一人になってからなと付け足す。
佐助ならば聞いた瞬間、政宗をピンポイントで狙い撃ちするだろう。
幸村に至っては破廉恥でござるー!!と顔を真っ赤にさせながら暴れるはず。
今この場に二人がいなくて良かったと心底思った。
もしあの二人がここにいれば、即修羅場になる事間違いないからだ。
一方、障子が破れる音との叫び声に何事かと駆け付けた小十郎。
「こじゅさーん!!」
「うわっ!一体どうなされたのですか!?」
泣いて抱きついてきたを抱き留め事情を聞く。
そして一通り話を聞き終わるとニッコリと微笑みながら政宗に向かって一言。
「逆さ吊りにして打ち首獄門ですね」
「何かどっかで聞いた台詞だな…っておい何だropeなんか出してきやがって…!ちょっ…stop!落ち着け小十郎!」
「問答無用!!」
その夜、政宗の盛大な悲鳴が米沢城に響き渡ったとか。
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良い具合に皆壊れてきた…(滝汗)
今回はボンバー望月と霧隠が登場しました。
最初は出す予定全くなかったのですが…。
計算してないぞ!(元就調)
川中島の合戦には十勇士出てないので矛盾してる部分が多々あると思います。
さて次回は久しぶりに佐助が登場。
携帯で打つと佐助と一発変換されず「すけすけ」と毎度打ってます。
辞書登録いい加減しないとやるせない気持ちになってくる…(笑)
ブラウザでお戻り下さい。