『第25話「謎のハンマー男」』





「もー今日も布団の中にいるー!!」


朝、目が覚めて開口一番がこれだ。
今日も今日とて隣を見ると、政宗がの布団で眠っている。
最初はも顔を真っ赤にして恥ずかしがっていたが、こうも毎日続くと流石に慣れてきたのか慌てる事も無くなった。
慣れとは怖いものである。
しかし問題はここからなのだ。
普通に隣で寝るならまだしも、質の悪い事に抱きつきながら眠るのだからたまったものではない。
いつもならここで小十郎が政宗をぶった斬りようやく起きるのだが、今日に限って来ない。
一人悪戦苦闘していると、誰かが部屋に入って来たので小十郎かと思ったが違った。
入って来たのは長身の少しやせた男で、すやすや眠っている政宗の前でとまるとおもむろに何かを取り出す。
それは何か見た事あるどでかいハンマー。(第7武器以外でお好きなのをどうぞ)
まさか、と思った時にはもう遅かった。
その男は無表情でハンマーを振り下ろしたのだった。
当然ハンマーをモロに喰らった政宗は、この世のものとは思えない悲鳴を上げすぐさま気絶。
米沢城にくまなく悲鳴が響き渡ったのは言うまでもない。












「まさかあいつに頼むとはねぇ…人選間違えてるよこじゅさん
「仕方ないだろうなるみちゃん。私は朝から仕事があって手が離せなかったんだ。
 まさかこんな事になるとは私だって思っていない」


いまだに気絶している政宗を成実がつつきながら眺めていた。
後から駆け付けた小十郎は、「知らない人が〜」と泣きながら話すをあやしている。
すると先程の男が、何食わぬ顔でひょっこり姿を現した。


「何の…騒ぎ…だ…?」
「あっ、つな「
あー!!この人ですこの人!!!
 このハンマー男が伊達ちゃんを殺害しようと…!!」
「???」


殺害と聞いて、何の事かと?を飛ばしていた男はとりあえず先に用事を済ませる事にした。


「小十郎…頼まれてた仕事…はこんな感じで…良かったか?」
「ああすまない。どれどれ…流石だな綱元!完璧だ」
「へ?綱元?」


男の名前を聞き、さっきまで騒いでいたがいきなり静かになる。


ちゃんは会うの初めてだっけ?こいつは鬼庭綱元。
 小十郎と同じ位梵天から信頼されてる家臣なんだぜ?ちょい無口だけどな!」


伊達三傑が勢揃いではもう昇天寸前だった。
死んでもいい…なんて思い始める始末。
さっきまでハンマー男と叫んでいた自分が何だか恥ずかしくなった。


「綱元…殿から聞いたのだがいきなり部屋に入ってハンマーを振り下ろしたそうじゃないか。
 何も言わずいきなりそうするのはまずいからせめて殿に事情を説明してから振り下ろせ。な?」
「分かっ…た」


いやどっちにしてもまずいだろ普通に起こせよ、とすかさず成実にツッコまれる。
小十郎の起こし方に比べたらまだ可愛い方なのだが。(小十郎が起こした場合必ず政宗にモザイクがかかる)


「…っ…いてぇ…」
「おはようございます政宗様」
「ああ…ってそんな事よりおい綱元!てめえよくも俺の頭にhammerを…!!」
「はいはい文句は後でにして下さいね政宗様。
 お話したい事がありますので私の部屋に来て下さい」


綱元に文句を言おうとした政宗だったが、小十郎に耳を引っ張られながら部屋に連行されてしまった。
成実は暫く二人の背中を見つめていたが、やがて軽く伸びをしながら「二度寝してくるから又後でねー」と言って立ち去ってしまう。
綱元も用を済ませたらさっさと自分の部屋に戻ってしまった。
残されたはというと、携帯を取り出しスケジュールに「伊達三傑コンプリート」と意味不明な文字を打ち始めたのであった…。






「で何の話だ小十郎?」


引っ張られた方の耳を真っ赤にさせ、畳の上にドカッと座る。
朝から不機嫌丸出しだ。


「武田軍の動向についてです」
「Ah〜?」


あの川中島の戦からもうだいぶ経つ。
そろそろを連れ戻しに武田軍が動き出すはずだ。
先程綱元から貰った巻物の1つを見ながら、政宗に現状を伝えた。


「綱元に頼んで調べて貰ったのですが既に武田の者がこちらに向かって来ているとの事です。どうなさるおつもりですか?」
「来るとしたらこの前天井裏にいた忍と似たような奴らだろ?だったら焦る事はねえよ」
「…こちらに向かっているのは紅蓮の鬼とその忍らしいのですが」
「Ha!大してかわんねえな。猪突猛進の槍使いに怪我した忍…俺の敵じゃねえ」


自信満々に言う政宗だったが、小十郎は心配でならなかった。
もしが甲斐に帰ってしまったら…寂しくてどうにかなるのではないかと。
ついこの間まではがいない生活が当たり前だったのに今ではそれが考えられない。
それ程小十郎の中での存在が大きくなっていたのだ。
勿論そんな小十郎の気持ちを、政宗が気付かない訳もなく…。
1人ぼんやり考え事を始めた家臣を横目でチラッと見て、溜息をつくのだった。







「ぶえっくしょいうお館様ぁぁあ!!」
「うわだからくしゃみする時は口押さえてっていつも言ってるでしょーが!!」
「誰かが某の噂してるでござる」


お館様か、それとも殿か、と青ざめたり顔を赤くしたりとさっきからせわしない。
この落ち着きのなさは一体誰に似たんだろうか…と佐助はふと幸村を見て思った。
よく見ると、心なしか顔が引き攣っている。


「旦那…緊張してるでしょ。米沢に着いてから何か落ち着きありませんし」


一瞬、幸村の肩がビクッとした。


「なっ…そんな事はないぞ!某はいつも通りだ!」
「またまた〜嘘ついちゃって。俺様の目はごまかせませんよ」


やれやれと溜息をつきながら、何年旦那に仕えてると思ってるんですかと言われ、
幸村も隠すのは無駄だと悟ったのか、佐助に落ち着けずにいる理由を打ち明けた。


「某は…もし伊達殿と戦闘になった時勝てるのだろうか…」
「は?」
「川中島では…その…惨敗だったから…不安なのだ」


幸村は政宗に負けた事を気にしているらしい。
佐助が療養中は、ずっと鍛練をしていてやけに頑張っているのは知っていたが、それが原因だったとは気付かなかった。
自分はあの闘いの場に居合わせていなかった為、どんな闘いだったかは知らないが歯が立たなかったとだけ聞いている。


「大丈夫だよ旦那!今回は勝てる!だってあんなに一生懸命鍛練してたじゃない!
 いつもの元気な旦那は何処行っちゃったの!?
 そんな気弱な事言ってたらちゃんを助けられないよ!?」
「う…うむ。確かに鍛練は欠かさずしていた…今度は勝って殿を取り戻すと決めたのだ!」
「その意気だよ!」


おかんにプチ励まされ、幸村は元気が出たようだ。
その様子を影から見ていた者が1人。
勿論佐助はその気配に気付いていたが、殺気がなかったので今は様子を見る事にしたのだった。


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綱元さん実際はこんな人じゃありませんよ(笑)
あくまで捏造ですから。
次回幸村は意外にもあの人とバトルになっちゃいます。
政宗VS佐助のシーンも書きたい所存。
さて二人を影で見ていたのは誰なんでしょうね?
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