『第33話「あぁ勘違い」』
「いい加減離せっつってるだろうが!」
「やだやだ絶対離さないもんねー!!」
2人の喧嘩はますます悪化していくが、一番の被害者は恐らく馬だろう。
政宗に進めと命令されるわには尻尾を引っ張られるわでいい迷惑だ。
勘弁してくれと言わんばかりに馬は大きな溜息をつく。
「何で目線すら合わせないの!?
あの時行くなって言われたのに帰っちゃったから怒ってるの!?」
「んな事言えるか馬鹿野郎!」
「ええ本当に恥ずかしくて言えたものではありませんから。
後、女子に馬鹿野郎はないのでは?」
後ろから小十郎が、明後日の方向を向きながら呟く。
ちなみに政宗の身の回りの世話をしてきた小十郎は、政宗がを避ける理由を知っている。
一番近くにいた分、自然に分かってしまうようだ。
「恥ずかしい?あたしが嫌いだから避けてるんじゃないの?」
それを聞いてはきょとんとする。
「いいえ。寧ろ嫌われたと思っているのは政宗様の方ですから。
あの時政宗様を見る殿の目が右目を失った時に皆から見られた時の視線に似ていたらしくて…
それで自分の事を気持ち悪いとかそういう対象に見られたんじゃないかと思っていたようで」
「御免なさいーーー!!!」
聞くや否やは、泣きながら政宗に抱きついた。
そしていきなり抱きつかれた政宗は馬から転げ落ちる。
「そんな目で見た訳じゃないんだよ!?
でもあの時伊達ちゃんがもんのすっごく恐い目してたから…
だって周りを血の池地獄にしそうな位殺気だってたし…
あんな伊達ちゃん見たの初めてだったからビックリしたし…」
えぐえぐとみっともなく泣きまくるをあやしながら溜息をつくが、内心嫌われてない事に安堵する。
小十郎が手を差し延べ、2人を起こした。
「良かったですねぇ政宗様」
「…っせえな」
ニコッと微笑む小十郎を見て、プイッとそっぽを向くがやはり嬉しいようだ。
を抱きしめる力も強くなる。
政宗の態度もようやく元通りになった。
そして一見落着と言いたい所なのだが、次なる嵐が来る訳で。
「女泣かせの伊達政宗覚悟ー!!!」
上を見上げると血走った眼で襲い掛かる幸村が。
更に何処で手に入れたのか最強武器すばあだを握っている。
対する政宗は、今日は話をするだけだと思って、第1武器を持って行ったのが災いした。
幸村の攻撃を受け止めた瞬間、ポキッと間抜けな音と共に刀が折れ、政宗の頭にすぱあだが直撃。
本日地面に顔面から逝ってしまった回数はこれで3回目。
「女子を泣かせるとは…男の風上にもおけぬぁあー!!」
「ユッキー誤解だよ!あたしが勝手に泣き付いただけで…」
「旦那!そのまま殺っちゃえー!」
「さ、佐助まで…!!」
もはや政宗イジメである。
家臣である小十郎は止めようとすらしない。
頭に血が昇っている幸村は、最後に火焔車を叩き込もうとしたがに止められた。
「ユッキー駄目!これ以上やったら伊達ちゃん死んじゃうよー!」
「殿も殿でござる!自分をさらった男を何故そのように必死に庇うのでござるか!?」
「えっ…そりゃあ伊達ちゃんの事好きだしお嫁さんになっちゃったし…」
突如その場に北風が吹いた。
地面に枯れ葉が次々と落ちていく。
の爆弾発言に、幸村と佐助は仲良く石化し、そのまま動かなくなってしまった。
そして先程まで気絶していた政宗は、その言葉を聞いてすぐに復活。
鼻血を出しながらを抱きしめようとしたが、寸での所で佐助が阻止した。
「じょっ冗談キツイよ!俺様聞いてないし!!
何がどうなってそういう事になっちゃった訳!?」
「そっ某も聞いてないでござる!」
「あっでもこれ伊達ちゃんが勝手に…もがっ」
「何言ってんだ。あの時俺達は全てを知り尽くした仲だろうが」
※が奥州に来た時のお風呂の話を言っているらしいが、
その時は寝ていたので、この場合政宗の一方的な思い込みである。
北風が吹き荒んでいたその場が、今度は一気に氷河期へと変わる。
幸村と佐助は氷付けになり、又もや動かなくなってしまった。
こんなアフォな変態に一歩リードされたのか…とか何とか呟いている。
政宗の言葉をそのまま鵜呑みにしてしまい、果てしなく誤解をしているようだ。
特に幸村が。
「政宗様…貴方の言葉は教育上、大変宜しくないので控えて頂きたい」
「そっ…そうだよ伊達ちゃん!破廉恥なのはボイスと腰とふとももだけでいいから」
「殿!貴女もですよ!!」
「殿ー!!奥州に連れ去られていた間に一体何をされたのでござるかー!?」
「どうせあいつのやる事だからロクな事じゃないよ絶対!!」
「え!?いやあのそれは…そのっ…………そんな恥ずかしい事言えないよっ///」
政宗に抱きしめられたり、裸を見られたり、布団を共にした事など思い出すと恥ずかしくては顔を真っ赤にしてどもる。
その瞬間、ドギャーンと派手な音が辺りに響き渡った。
真田主従、仲良く戦極BASARA。
「…聞いたか佐助…?恥ずかしくて言えないらしいぞ…」
「ははは聞いちゃったよ俺様頑張ってぶっ殺しちゃうよ♪」
こうなったら止められない。
幸村は怒りに震えているが、佐助は完全に壊れてしまったようだ。
対する政宗は、そんな2人を完璧無視。
奥州に住まないかだの、祝言はいつにするかだのと幸せ家族計画を作り始めている。
「なぁ。お前武田に住むのやめて奥州に来い。
成実達も会いたがってるし何より毎日がpartyだぜ?」
「え…え〜と…あたしもなるみちゃん達には会いたいけど
今は竹林院さんが来ててユッキーの恋の行方も気になるし…」
「what?竹林院?」
「そう!ユッキーの将来の奥さん!お見合いの件で今こっちに来てるんだよ」
「へぇ〜。あの真田幸村に嫁さんがねぇ〜?」
良い事聞いちゃったと言わんばかりにニヤニヤしながら、幸村の方を見る政宗。
そして殺気だっていた幸村は、嫌な予感がして滝の汗を流している。
よく見ると戦極BASARAの光がだんだん小さくなっていく。
「さっきも仲良く2人っきりでお話してたんだよ〜。ねっ佐助!」
「あ…そういえば結構長い間喋ってたよね〜。何話してたの真田の旦那?」
今はあまり触れて欲しくない事を、次々と政宗に暴露されていく。
このままでは政宗にからかわれるのは必定。
何とか流れを変えなくては…。
そうは思っていても口下手な幸村に、話の内容を変える力はない訳で。
「こんな事してていいのか〜?嫁さんほったらかして人の恋路に口出したぁあんまり感心出来ねぇなあ〜?
今頃竹林院って女、構って貰えなくて淋しがってたりして…」
「ま…政宗様…あまりからかっては…」
「んなっ!?そっ某と竹林院殿は別に何もないでござる!
まっましてや淋しがってなど…」
「何でそう断言出来るんだよ?」
「何故ならさっき見合いがなかったこ…とに…」
真田源次郎幸村自滅!!
勢い余ってうっかり。
目の前が真っ白になり、固まってしまう。
「えー!?ユッキー振られちゃったの!?何で!?お似合いだったのに…」
「大体は予想してたけどさ〜…あーぁもったいな…」
「可哀相になぁ〜…まっ心配すんな。次の次の恋は上手く行くって」
それを聞いてムッとした幸村は怒り始める。
「次の次なんて絶対ないでござる!某は殿が初恋の相手なのだ!殿を独占したいし
何より佐助にも伊達政宗にも誰にも渡したくないでござるー!」
を力強く抱きしめ、自分の気持ちを打ち明けた幸村。
ほとんどヤケクソだ。
「ゆっユッキー…今の…」
「殿が…なかなか某の想いに気付いてくれぬから…」
「ごっ御免…なさい!」
抱きしめられている為、幸村からは顔が見えないが突然の告白にの顔は真っ赤だった。
嬉しさ半分、恥ずかしさ半分。
だがいきなりなのもあり、答えは出せなかった。
「…おい何か2人のworldじゃねえ?」
「いいんじゃない?ほっといたら」
「あんたそれでいいのかよ?」
「俺様大人だから余裕見せないとねー」
初々しい2人を見守る佐助。
だが腹の底では恐ろしく黒いモノが渦巻いていたのだった。
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何だかあっけない喧嘩だったなぁ(笑)
本当はもっと言い争って伊達殿に墓穴を掘って貰いたかったんですが。
伊達殿はゲーム版小十郎の前では子供みたいになるといいな(何)
伊達殿にセクハラ発言をさせるのは楽しい反面、
台詞を考えるのは私なので今回やたら携帯片手に恥ずかしい発言繰り返してました(笑)
今からこんなだと年齢制限モノを書くのは夢のまた夢ですね。
にしても幸村がとうとう想いを暴露しちゃいました(笑)
させる予定はなかったんですが勢い余って…!
幸村は子供みたいな独占欲があると思うのは私だけ?
え…マジで?
次回は佐助夢にしたい…(何)
次の話でやっと竹林院篇完結だー!
ブラウザでお戻り下さい。