『第36話「ときメ元親恋に落ちる!?」』



「まっ政宗様!!長曽我部軍が…!」


真っ青な顔をして風呂場に入ってきた小十郎。
四方八方から、「アニキー!!」と敵軍の兵士達の声が聞こえてくる。
米沢城は大混乱に陥っていた。


「落ち着け小十郎。慌てたって仕方ねえだろ。

囲まれちまったもんはしょうがねえよ」
「「オイ」」


最後の言葉は、心なしか諦めの意味も入ってるぞ

ツッコミを入れる苦労人佐助と小十郎コンビ。
この2人にツッコミをさせたら最強だ。
と、そこに敵軍の総大将・長曽我部元親の声が響き渡った。
どうやら露天にいたせいでこちらに気付いたらしい。


「てめえが独眼竜伊達政宗か!俺は西海の鬼、長曽我部元親よ!!
 てめえを倒す為に四国から遠路遥々来てやったぜ!」
「OK。人様ん家の風呂をそんな高い所から堂々と覗くのが趣味な変態長曽我部元親さんね。
 覚えとくぜ。とりあえず第一印象は最悪だな
「何だとてめー…って痛い痛いから元就!お前いつまで叩いてんだよ!


変態に変態と言われたり、叩かれたりと可哀相に…と露天にいた誰もが皆そう思った。
佐助は、第一印象なら川中島で乱入した政宗も元親と似たようなレベルではないかと考える。
しかしはそれ所ではなかった。
元親が目の前にいる上に、元就までもが現れたのだからさあ大変。
幸村達と同様に、現代ではゲームでしか見れなかった好きキャラなだけに凄く嬉しいようだ。
話し掛けたくてうずうずしている。
ようやく元就のはたき攻撃から解放された元親は、

仕切り直すかのように又ビシッとポーズをつけ政宗に向かって叫ぶ。


「おい独眼竜!てめえさっさとその恰好何とかしろ!戦が出来ねえだろうが!!」


勿論、政宗も腰布一枚だけで戦うつもりは毛頭ない。
とりあえず着替え位は待ってくれるようなので、

しゃーねえなと政宗は盛大に溜息をつき風呂から出ようとする。


「おい、お前もそんなとこに突っ立ってねえでさっさと着替えろ。
 敵将にんな姿曝してんじゃねえ」
「へ?うん…いやでも…
えへへ///


自分の姿より、今は瀬戸内コンビの事で頭がいっぱいだ。
これ以上ない位の熱い眼差しで、元親達を見つめている。
そして元親と目が合ってしまった。
ドキン…。
瞬間、元親の背景がピンクに変わる。
どうやら女子に熱い眼差しを送られ、ときめいてしまったらしい。
頬なんてもうショッキングピンクだ。
その様子に、幸村と佐助は一瞬ゾワッとなり、鳥肌が立った。


どうしたへたれ
「あ…いや…そこにいる女がよ、俺の事ジッと見てくっから…」


照れるなチクショーと言いながらモジモジし始める元親の姿に元就が一刀両断。


「気持ち悪い」




「いっ、今親ちゃんと目が合っちゃった…!!
 
恥ずかしいなぁ〜…!!アニキー!!


そんなも乙女モード全開だ。
暴走したら止まらない止まれない。
そして隣で見ていた政宗は面白くなさ気。
ムスッと膨れっ面を隠そうともしない。
佐助はご機嫌斜めな政宗を尻目に、これからの身の振り方を考え始める。


「それはそうと、俺様達これからどうすりゃいいの?このまま巻き込まれちゃうの?
「そうでござる。
 某達は同盟を組んだのだから、ここはやはり伊達軍に助太刀しなければならぬのか?」


と言うか、助太刀するにしても長曽我部の兵士ならまだ何とかなりそうだが、

あの馬鹿でかい兵器を破壊するには骨が折れそうだ。
見た所、大砲のような物を搭載しているようなので、

破壊する前に数発撃たれれば、米沢城は半壊してしまうだろう。
そして、更にはあの智将で有名な毛利元就がいる。
どんな策を張っているか分からないだけに、迂闊に踏み込めない。
今回はただ元就がついてきただけなので、実際は何も仕掛けられてはいないのだが。


「HA!助太刀なんていらねえよ。俺が頭を潰せばいい話だからな」


機械だろうが智将だろうが竜の爪にかかれば斬れない物はないと豪語するが、

腰布一枚でその台詞を言われても決まらない。
しかしそんな政宗の言葉に反論する


「だーめー!!親ちゃん達と戦うのあたし
絶対反対!!


仲良くしようよ!と今のこの状況では無理だろうと思われる申し出に、周囲も困り果てる。


「それは無理な話だな。向こうはやる気満々ってとこだしよ。
 大体何でそんな意地張る必要があるんだ?あいつらと知り合いか?」


幸村と佐助はが異世界から来た事を知っているので、それはないと思っていた。
今の言葉を聞く限りでは、政宗にはが何処から来たなどの話は一切していないようだ。


「し…知り合いじゃないよ…(そりゃゲームとかでしか知らないし…)でもあたし…」
「でも…何だ?」
親ちゃんの事好きだもん!!勿論毛(もう)ちゃんもだけど」


途端に政宗の眉間にシワが寄った。
背景には竜ではなく、阿修羅像が仁王立ちしている。
彼の中には、嫉妬という名の黒い物が渦巻き始めた。
それは、政宗の心に蛇がトグロを巻くかのようにへばりついて離れない。
「殺・元親」という単語が政宗を突き動かす。
のアニキ大好き発言でダメージを喰らった幸村と佐助と小十郎は放心状態で、

どす黒いオーラを放つ政宗を止める気力は今はなかった。
と言うか、湯舟に水死体のようにプカプカと浮かんでいるので不可能だ。
誰も復活しない。
は只単に、元親が自分にとってお気に入りキャラだから好きと言っただけであって、

別に恋愛方面での意味でそう言った訳ではない。
勿論、他の者達も平等に大好きな故、特別な人はまだ彼女の中には存在しないのだ。
しかしこの言葉は、政宗と元親に多大な影響を与えてしまったらしい。
政宗は嫉妬で修羅に。
元親は、長年彼の中で眠っていた姫若子精神が、キモい形で更に浮き彫りとなってしまった。


「な…就ちゃんどうしよう…見ず知らずの女に好きだなんて言われちまったぜ…!!
 あの女、大人しい顔して意外と大胆だよな…俺だったらぜってぇ無理だ…
 ってこれ返事しなくちゃいけないよな?
 いきなりだから俺どうしたらいいか分かんねえよ!!!」


既に20は越えた逞しい海の男が、頬を桜色に染め、

突然見ず知らずの男子に告られた女子生徒のような反応を示している。
長曽我部軍最強であろう兵器、滅騎の上で。
…いや、今時こんな反応をする女子生徒も、現代にはあまりいないだろう…
多分。
そして、そんな乙女なときメ元親の姿を見て、元就も真っ青だ。
その顔は「半径100m以内に近寄って欲しくない」といった感じだが、

元親の姫若子っぷりが全開になれば、

その内、領土がお隣り同士という事自体、否定したい気分に陥るだろう。
専ら恋愛沙汰には疎い元就には、今の元親の気持ちなど毛程にも理解は出来まい。
うざったい程漂ってくるピンクな空気に、元就は嫌悪感を覚えた。
サンデー毛利にでもならない限り、この嫌悪感は拭えないだろう。
元親の質問など心底どうでもいい元就は、どうやって政宗を討ち取ろうかと策を練り始める。
普段人を見下し、雑魚呼ばわりする元就だが、政宗の力を侮ってはいなかった。
以前、政宗は織田の城に攻めいった事がある。(ムービー『魔王VS独眼竜』参照)
その時の戦の勝敗は、引き分けだったと聞く。
あの魔王と互角で渡り合えた者は、そうそういない。
それだけ政宗が強いという事なのだ。
迂闊に攻めればこちらが返り討ちになるのは必定。
さてどうするか…と集中する。
安芸厳島にて陶晴賢2万の大軍を奇襲で撃破した時と同じように攻めたかったが、

滅騎の存在で時既に遅し、即却下となった。
奇襲や防衛戦を展開する元就の戦略では、常に派手な戦をする長曽我部軍を動かすのは難しい。
とりあえず今言える事は、姫若子モードの元親にこのまま任せておけば確実に負けてしまう。
折角同盟を結んだのに、最大の敵である織田軍や豊臣軍との戦の前に被害を受けるのは御免だ。
なんだかんだ言って、猪突猛進の元親をサポートするような役回りになっている事に

未だ気付かない日輪の申し子。
そんな元就の思考を遮るかのように、政宗の殺気が押し寄せてきた。
愛刀の切っ先を元親に向け、竜が吠える。


「良い気になってんじゃねえぞてめえ!
 こいつはなぁ俺の嫁って決まってんだよ!
 なんちゃって乙女な変態が入る隙なんてねえ!!!You see!?
 鬼は外、竜は内って言うだろうが!(←?)」
「あれ?伊達ちゃんいつの間に第弐衣装に着替えたの?」


見るといつの間にか、政宗はしっかり装備していて、

既にBASARAゲージは満タン、戦極BASARAは参に。
戦闘準備完了という状態になっている。
まるで大武道会に挑むかのようだ。
それにしても、前田利家の妻・まつのように変身したんじゃないかと疑う位、速いお着替えである。
対する元親は、暫く元就の隣でうんうん唸っていたが、

やがて何かを決心したかのようにスクッと立ち上がる。


「なぁ元就…」
「何だ」
「俺さ…昔、夢があったんだけどな」
「どうせ姫若子のお前の事だ。世界中のリボンを集めるとかそんなものであろう
何で分かってん。いやそうじゃなくてよ。俺は幼い時…」


長槍八流を握り、滅騎から飛び出した。
そして叫ぶ。


「お嫁さんになりたかったんだー!!!」


マジでかー!!??と絶叫する元就。
まさかとは思うが、あの素性の知れない女の元へ嫁に行く気か。
ただ目が合って好きと言われた位で、何故話はそう飛躍してしまうのか。
と言うかお前は嫁じゃないだろうと激しくツッコミたかったが、衝撃的過ぎて言葉が出ない
飛び出してきた元親の振り下ろし攻撃を政宗が受け止めると、

辺りにはお互いの武器がぶつかり合う音が盛大に響く。
衝撃では吹き飛ばされそうになった。




一方、幸村と佐助はまだ湯舟に浮いたまま復活しない。
気のせいか幸村からは泡が噴き始めている。
かろうじて小十郎が意識を取り戻した頃には、2人は既に戦いを始めていた。
露天で。


Next


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途中から少女漫画で御免なさい(爆)
姫若子モード突入です。
そして伊達殿はヤキモチ妬きなキャラに…。
ドラマの西遊記のサントラに収録されている「てんやわんや」の曲を聞いてたら

そのノリで指が暴走してしまいました(笑)
この後どういう展開にさせようか悩んでおります(行き当たりばったりで進行するから…)
多分珍しく真面目にバトルはするんでしょうが管理人にとっては試練です;;
だって戦闘シーンって書くの難しいから…!(←でもやっぱりギャグ優先してしまう…と思う)
それにしてもエラゴンの小説熟読してると背景の表現の仕方とか凄い勉強になりますな…!
ちなみにムービーのアレですが勝敗は管理人知りません。
故に勝手に捏造設定にしました。
ブラウザでお戻り下さい。


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