『第38話「勝負の行方」』
佐助と元就の戦いが始まった。
光と闇−お互い相反する属性故、喰らえば一溜まりもない。
佐助はスピードと手数で、元就は持ち前の知略と防御で戦う事にした。
元就の攻撃は時にこちらのガードを崩してくる場合がある。
その他時間差で発動する多数の罠系の固有技が多いので注意が必要だ。
どのようにして元就の防御を崩していくか…真田十勇士隊長の腕の見せ所だ。
「とは言っても難しいんだよな〜これが又…」
張り詰めた空気の中いつものように飄々としながら大きな手裏剣を回す。
相手が幸村や元親のように一直線に向かって来てくれたらこちらとしてもやりやすい。
色んな意味で。
しばし硬直状態が続いた二人がほぼ同時に動いた。
佐助のスピードは忍の中では群を抜いて速い。
幸村の鍛練の相手をした時は主を翻弄してしまった程だ。
元就よりわずかに早く動いた佐助は瞬時に間合いを詰め、攻撃を仕掛ける。
得意の忍術を使って2体の影を呼び出し、四方から元就に一気に襲い掛かった。
元就は、固有技「転」を使い、襲ってくる佐助と影を追い払う。
紙一重で避けるとすかさず体勢を立て直し、着地して隙が出来た元就を再び攻める。
影分身とはいえ、能力は佐助より劣るがそれでもその威力は侮れない。
3対1では流石に分が悪いと舌打ちし、元就はひとまず影分身を何とかする事にした。
ただ封じるだけでは面白くない、少し困らせてやろう。
佐助から距離を取り、今度は封じ手「懐」を使う。
ゆっくりと輪刀から2つの光の輪が現れ、影2体の自由を奪う。
そして光の輪に捕縛された影は、元就の意思により動く事となった。
自ら生み出した影が、今度は佐助の敵となってしまう。
「うわ最悪!」と悪態をつきつつ佐助は影の攻撃を受け流し、攻撃を加えていく。
その間、元就は次々と色んな罠をそれはそれは楽しそうに佐助の周りに設置していった。
罠により佐助の行動範囲も徐々に狭くなる。
ようやく影を消し終ると、「発」が発動し佐助の周囲で爆発が起きる。
爆発に巻き込まれないように避け続けたが、何発かは避けきれずダメージを受けてしまう。
爆発がおさまり佐助が反撃を行おうとした瞬間、いつの間にか両端に光の壁が設置されていた。
それが何なのか理解する前に、迫ってくる光の壁に挟まれ弾かれる。
弾き手「壁」−主に矢・鉄砲などの飛び道具を弾き返す時などに使用される、盾とも言える元就の固有技だ。
発の爆発で佐助を壁が設置されている所まで誘導させたのだ。
壁は大きいのですぐに気が付くのだが、爆発で視界に入らなかったらしい。
高速戦闘で翻弄するつもりが、逆に元就の罠で翻弄されている。
そして、先程まで受身だった元就が攻撃の姿勢に入った。
ダメージを受けて弱っている佐助を、一気に畳み掛ける心算だ。
恐らく、BASARA技でトドメを刺す気だろう。
勘の鋭い佐助の考えは見事に的中する。
元就の周囲に日輪の光が収束し、光を纏った輪刀の鋭い刃は佐助を襲った。
上から降り注ぐ強力な光に押し潰されそうになりながらも、
何とかダメージを最小限にとどめようと防御していたが、攻撃が終わるまで自分は持ち応えられないだろう。
しかし、佐助には奥の手があった。
佐助が懐に持っている巻物「空蝉の極意」。
それにより窮地に陥った時に攻撃を受けると3回まで発動する技−「空蝉の術」。
元就は、佐助を倒したと思っていたが、まだ佐助はわずかに意識が残っている。
一瞬の油断が元就から勝利を奪った。
「なっ…!?」
「詰めが甘いねぇ、日輪の申し子さん」
空蝉の術が発動し、比較的軽い元就は闇によって思いっ切り吹き飛ばされる。
地面へ真逆さま、その上滅騎の周りには元就が仕掛けた大量の地雷「発」が。
智将と名高い毛利元就、自らが仕掛けていた罠で自爆。
チュドンと間抜けな音を立て爆発したのを滅騎の上から見ていた佐助。
やれやれ、やっと終わったよといった表情をしていた。
空蝉の術を発動した事により少し体力を回復し、先程まで切羽詰った顔に笑みが戻る。
蒼天疾駆猿飛佐助、夢小説始まって初の勝利をおさめたのだった。
ちなみに幸村は出番が全くなくて拗ねていた。
さて、一方でまだ激しい攻防を繰り広げている政宗と元親だったが、
一騎打ちも終わりを迎えようとしていた。
元親に限界が来たらしい。
かなりのダメージを受け、息が上がってきている。
足元が心なしかふらつき、槍を持つのが精一杯といった所だ。
対する政宗はまだ余裕があるようで、切羽詰まった元親の様子に僅かに笑みを浮かべている。
流石は独眼竜、元親が今まで戦ってきた武将の中では一番強い。
元親は、恐らく次の攻撃で勝敗が決まるだろうと悟った。
呼吸を整えると槍を構え直し、目の前の竜を見据えた。
やがて戦極状態になり、政宗も続いて発動させる。
そしてほぼ同時にBASARA技を繰り出した。
最後の力を振り絞り、元親が奥州筆頭伊達政宗に挑む。
お互いのBASARA技がぶつかった時の衝撃で、周囲にあった城壁が音を立てて吹き飛んだ。
砕けた城壁の破片が吹きつける風と共にこちらに向かって容赦なく飛んでくる。
雷と炎が2人を包みこみ、見えなくなってしまった。
は飛んでくる城壁の破片に打ち付けられ、よろめいてしまう。
長時間の激しい鍔迫り合いが終わり、とうとう元親が政宗の力に押され、
そのままBASARA技を真正面から喰らってしまった。
元親を包んでいた戦極の光がだんだん弱くなり、蒼い灯火のようになっていく。
元親が地に伏せた頃には、既に光は消えていた。
政宗は、動かなくなった元親に歩み寄ると残り5本の刀をしまい
1本の刀だけ持つと、それを天高く振り上げた。
大将を討ち取れば、長曾我部軍の降伏につながる。
そして残るは毛利だけ。
「相手が悪かったな、西海の鬼。そんじゃあんたの首、頂くぜ」
「駄目っ!!!」
「!?」
は、倒れている元親に刀を振り下ろそうとした政宗の腕にしがみついて必死で止めた。
政宗も突然乱入してきたに驚き、左目を見開く。
ここは戦国、が住んでいる慣れ親しんだ時代ではない。
戦になれば、こういう場面に出くわすのも不思議じゃない。
しかし、大好きな人達が目の前でこんな事をされてはたまらない。
勝ったのだからもういいじゃない。
どうしてそこまでする必要があるの?
あなたがこんな事する所なんて見たくない。
死んだ姿なんて絶対に見たくない。
の頭の中は専らそれしかなかった。
この時代に来た時に最初に見た兵士の死体を思い出すと、今までにない恐怖感がを襲う。
政宗は何とか振り払おうとするが、は一向に離そうとしない。
それどころか更に力を入れてくるので、籠手の部分からメキメキと締め付ける音が…。
どうやっても離そうとしないので政宗は諦め、軽く溜め息をついた。
震えるになだめるかのような口調で話し始める。
「…、こいつは敵なんだぜ?討ち取るのは当然だろうが」
「やだ。お願い、伊達ちゃん。親ちゃんを討ち取らないで」
「そうは言ってもな、こいつは大将で…!?」
言いかけた政宗は、ぎょっとした。
見ると、が子供のように泣いていた。
この時代で泣くのはこれで2度目。
初めての時は嬉し泣き、でも今回はその反対。
流石に大声を出して泣いてはいないものの、
の目からは滝のような涙が溢れんばかりに流れている。
足元には、零れ落ちた涙が地面に小さな染みを作っている。
しまった、泣かせてしまうとは。
政宗はと元親を交互に見て暫く悩んでいたが、やがて…
「…たくしゃーねえな…お前の好きにしろ」
刀を鞘にしまうと、やれやれと言った感じで両手をあげる。
先程とは打って変わって、政宗の表情は優しくなっていた。
「好きにしろ」…その言葉を聞いても安心する。
顔はまだ涙で濡れていたが、いつもと変わらない笑顔で政宗に向かって微笑んだ。
「有難う、伊達ちゃん」
2人の会話が終わったその時、幸村と佐助がこちらにやって来た。
倒れた元親の姿を見て、佐助は感嘆の声を上げる。
「へ〜、さっすが独眼竜の旦那、あの西海の鬼を倒しちゃうとは」
「ったり前だろ。おい、あのオクラはどうした?」
「倒したよ、滅騎の下で伸びてる」
「お前がか?」と問いかけると、佐助はいつもの飄々とした態度で「そうだけど何か?」と返した。
俺様もやれば出来る男でしょ?と言った感じだ。
もうあの時みたいに「武田の忍如き」とは言わせない。
言葉にせずとも伝わってくる佐助の心の声。
政宗はha!と笑った。
幸村はの事が気になり、駆け寄った。
怪我はしていないようで安心したが、の顔を見て驚く。
「殿ーvvv…!!??どどどどうして泣いてるのでござるか!?」
「えっ!?あ、いやその、これは…え〜と…」
まさか、あのさでぃすてぃっく伊達政宗にあんな事やこんな事されて泣かされたのかと
幸村は勝手に想像し、一人パニックに陥ってしまう。
誰がサドだと反論する前に、幸村が何処でその言葉を知ったのかという方が政宗的には気になった。
は暴走する幸村の誤解を解く為、必死で説明するが、どんな理由であれ
結局はを泣かせたという事実に幸村は怒りのボルテージを上げる。
戦場で「熱く燃える」とか何とか本人は叫んだりするが、今回はもう肉眼でハッキリ確認できる位、
幸村の体から紅蓮の炎が放出している。
熱気が政宗の所にまで及んだ。
政宗は元親と戦った後なので「sweltering…(暑苦しい…)」と呟きながら、
未だに気絶している小十郎をつっついて起こしていた。
しかし問題はここからだ。
背後で幸村の怒気とは別に、何かドス黒いオーラを感じる。
一瞬、「後ろを振り向いたら鳥になる」という言葉が政宗の頭の中でよぎった
黒いオーラをかもし出しているのは、言わずもがなおかん佐助。
ギギギ…とまるで某戦国最強ロボットのような機械音を立て、政宗はゆっくりと振り向いた。
ものっそい笑顔。
だが、笑顔とは裏腹にその手には「伝説の一作目」が…。
本来それには「さすけ」と書かれてあるはずなのに、今回は「まさむね(故)」になっていた。
伝説の一作目に描かれている政宗の顔が、心なしか悲しそうな表情をしている。
死に装束になっていないのが幸いだ。
「伊達の旦那♪(ちょっとこっち来いや)」※()=副音声
「ちょっ…stop、落ち着け猿飛…俺が描かれたdiscでそれはちょっと…」
「死ねええええええええええええええええええ!!!!!」
「某も許さぬぁぁぁぁぁああああああああああ!!!!!」
「次に生まれ変わる時は鳥になりてえええええ!!!!!」
戦に勝利したはずの伊達軍だったが、米沢城周辺から聞こえてくるのは竜の断末魔。
暫く耳を塞ぎたくなる様な効果音が続くのだった。
NEXT
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ゲームでは影に「懐」を出来ません…ので捏造(滝汗)
今までで一番難産だったんじゃないかなこれ…;;(疲)
初期パラメータの数値とか色々比較しながら書きましたが…やっと終わった;;
とりあえず戦闘シーンからは何とか脱出です。
有難う、有難うグランツーリスモ4!!(何)
このサントラの曲のノリでようやく書き終える事が出来ました!!
いや〜まさか2話連続バトルになるなんて思わなかった…!!
幸村は鍛練時、繰り出すほとんどの攻撃を佐助が笑いながらヒラヒラかわしていくと思う。
…どっちが強いんだか(笑)
ラストの場面書き始めた途端、筆が進んだのでやっぱり自分はギャグ一直線なのだと思った瞬間…。
一応、瀬戸内夫婦とのバトルが終わったので暫くはオールギャグが書けそうです(笑)
ブラウザでお戻り下さい。