『第46話「いざ、人取橋へ!」』



人取橋の戦いそれは今から400年以上も前、

現代でいう福島県本宮市にあたる場所にて行われた伊達軍7千人と佐竹義重率いる連合軍3万人が激突した戦である。
劣勢のあまり1度は窮地に立たされた政宗だったが、

この危機を見事乗り超えた事で天下にその名を知らしめる絶好の機会にもなった。
その熾烈を極めた戦が今まさに行われようとしていたのである。
だが、それは史実通りの戦とは全く異なるものだった。
何故なら今、政宗達に立ちはだかっている敵は佐竹率いる連合軍3万人の大軍ではなく、

残忍かつ狡猾、己の欲望のままに戦国の世を生きる「乱世の梟雄」と呼ばれた松永久秀、その男だったからだ。
久秀は伊達軍の斥候を人質に取り、竜の宝である政宗の刀「無限六爪流」と、を要求してきたのである。
政宗と小十郎は、囚われた仲間をそして何より松永からを守る為に、己の得物を手に戦場へと向かうのだった。






「すまねぇな、お前を巻き込む事になっちまってよ」
「ううん、私は全然平気!気にしない気にしない!」

これから戦だというのに別段怯える訳でもなく、隣でいつものように元気な口調で答えるに政宗は苦笑する。
は戦場に行くのが不思議と怖くなかった。
それは、きっと自分の両隣に双竜がついてくれているからだろう。
政宗としては「にもしもの事があったらー」、そう思うと最初は一緒に連れていくのを躊躇した。
しかし、自分を慕ってくれている大事な仲間が人質として捕えられている以上、

連れていくしか他に方法はない。
勿論、誰であろうとには指一本触れさせるつもりはないが。
松永などもっての他である。
触れる前に瞬殺する心算だった。
そんな事を考えながら目的地へ歩を進めているとが、とんでもない事を2人に言う。

「あのね、役に立つかどうかは分からないけど私も2人のお手伝いする!」

「何だって?」という文字が2人の顔に書いてあるかの如く見てとれる。
双竜は一度お互いの顔を見合わせ、

やがての方に振り向いた政宗が「お前がか?」と訝しげに聞く。
まつやお市、かすがならともかく、見るからに戦とは無縁そうな女子が、

どうやって兵士達と戦うというのだろうか。
は制服の腕をまくり、あってないような力コブを見せてこう答える。

「うん!暇な時はユッキーや佐助に武器の扱い方とか体術教えて貰ってたの!

いつまでも守られてばっかってのもね」
なりません
即答!?そっ、そりゃ2人に比べたら全然だけどさ!でもっ
「実力云々言う前にですね、貴女に人を斬る覚悟がありますか?」
「そっ、それはーないけどさ」

なくて当然である。
は戦国時代の人間ではなく、戦のない平和な時代に生まれて生活してきた人間なのだ。
ならばと小十郎が言おうとしたが、それより先には、すぐさま小十郎に向き合い叫ぶ。

「でも叩き潰すとかなら出来るよ!!」

これなら人を斬らずにすむでしょ!?と言わんばかりだ。
自分の意思で上手く使えないがには、最終奥義「火事場の馬鹿力」がある。
いざって時には結構これで乗り切れたから今回も何とかなるだろうと能天気な御様子。
しかし、この問題発言に小十郎は軽く眩暈を起こし倒れかけた。
何だか、うっかり変身が解けて漫画版に戻りそうな勢いである。
今、解けてしまったら恒例の胃痛と吐血が発症する上に、

デスクワーク主体のひ弱な体は戦場では何の役にも立たないので、

それだけはあってはならないと何とか踏ん張った。
それにしても女子の口から「叩き潰す」という言葉が出るとは夢にも思わなかったようだ。
もっとマシな表現はなかったのだろうかと眉間に皺を寄せる。
そんな小十郎とは正反対に政宗は、心底楽しげに笑い始めた。

HA!いいね、いいね。それでこそ俺が惚れた女だ!こん位Dangerousでねぇとな!」
「まっ政宗様!?」
「いいじゃねぇか小十郎、松永はを要求してる、敵の兵士達だって迂闊に傷付けたりやしねぇだろうよ。

それに俺達がついてるんだ、心配はいらねえ」

そう言うと政宗はを抱き寄せ、ギリギリまで顔を近づけてきた。

「さっさと松永って奴を片づけて城へ帰ろうぜ、会えなかった分たっぷり可愛がってやるからよ」

ももう子供ではないし、その意味に気付かない程鈍感でもない。
耳元で囁かれた政宗の言葉を聞いた途端、顔がみるみる内に赤くなっていく。
恥ずかしさのあまり、政宗の腕の中で必死に暴れて離れようと試みるがビクともしない。

「ぅわー伊達ちゃん、こんな時に何考えてんのー!!破廉恥なー!!
「おい小十郎、見たか今の顔。こいつやっぱ可愛いぜ、ってオイ聞いてんのか小十郎ー」
「俺は何も見てません何も聞こえません」

ノロケは後でにして欲しい。
仲間の命がかかっている大事な戦だと言うのに、この御方は全く
そう心の中で呟きながら小十郎は溜息をついた。
戦場では『独眼竜』と恐れられる男も、これでは形無しである。
とりあえず今言えるのはを可愛がる政宗がこの上なく壮絶にアフォで間抜けな顔をしている事位だった。
こんな調子で上手くいくのだろうかと一抹の不安がよぎったのは言うまでもない


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今回はメラ短めです、松永さん出そうと思ったのですが無理でした;;
さて、始まりましたー人取橋篇、双竜いざ出陣です。
今まで戦場では「血はケチャップ」と現実逃避してみたり、

かすがに捕獲されちゃったり草むらに隠れてみたりな行動を取っていたヒロインちゃんでしたが、

今回は一緒に戦うと宣言しました。
こうズバズバッと勢いにのって敵を倒すより、寧ろ「闘うってめっちゃ怖いよー!!」と泣き叫びながら

敵を馬鹿力で吹き飛ばすような子なのでカッコよく戦う事は出来ません、あしからず(苦笑)
出来るだけギャグは入れていきたいなぁと企んでますが、どうなる事やら
とりあえず、血生臭い表現にならんように頑張りたいと思います。
ブラウザでお戻り下さい。


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