タイトル『第49話「奪われた大切な宝」』
ついに「乱世の梟雄」と呼ばれる松永久秀との対決が始まった。
相手は松永ただ1人、対するこちらは政宗と小十郎の2人。
人数からしてこちらが有利に見えるが双竜2人を相手に戦を仕掛けてくる位だ。
余程の力を持っているのだろう、色々と油断の出来ない相手である。
相手の力が未知数なのもあり2人は獲物を手に動かずにいた。
迂闊に間合いに飛び込めない。
そんな2人を前に松永は「やれやれ仕方ない」と言った感じで己の携えた剣を抜く。
一風変わった形をしている松永の刀は「十束の剣」と言って元は日本神話に登場するもので「10束の長さの剣」を意味する。
ちなみに「束」は長さを表す単位で、拳1つ分の幅に相当する。
その十束の剣を片手にゆっくりとした足取りで2人に近づいてきた。
何をする訳でもなく、散歩をするのと同じ位のゆっくりとした足取りで。
その様子を、動けないはただただ見つめる事しか出来なかった。
「(気を付けて…伊達ちゃん、こじゅさん。松永は強いよ…)」
見てるだけというこの状態がにはとても歯痒い。
まさかこんな所で体が動けなくなるというトラブルに見舞われようとは。
この戦の先に何が起こるのか、それを全部自分は知っているのに何も出来ない事が悔しくて堪らなかった。
の脳裏に映ったのは爆風で政宗が吹き飛ばされる姿。
これだけは何としてでも阻止したい。
不安げに政宗達を見詰めるの視線に気付いたのか政宗がこちらを一瞬だけ見た。
その左眼は「大丈夫だ、すぐに助けてやる」と言っていた。
優しい目付きだったが、すぐに険しい目付きへと変わり、相手を射抜くように前を見据える政宗。
「(小十郎…コイツは今までにねぇtypeだな…どう出る松永…)」
「(御油断召されますな政宗様、一気に仕掛けてくるやもしれませぬぞ)」
ゆっくりと確実にこちらに向かって近づいてくる松永。
表情からして明らか何かを企んでいる。
彼ならば、勝利の為にはどんな卑劣な手を使って来てもおかしくはない。
徐々に縮まっていく距離に2人も緊張が高まっていく。
無意識に柄を握る力が強くなった。
と、ここで松永が突然行動を起こした、回避行動で急に距離を詰めてくる。
対する2人も松永を迎撃する為、行動を開始した。
「DEATH FANG!」
「おっと」
向かってきた松永の標的は政宗だった。
政宗はDEATH FANGを使い、松永を空中へと打ち上げようとしたが紙一重で後ろに後退され、かわされてしまう。
すぐ様、攻撃の型を切り替え今度は十八番MAGNAM STEPで追撃する。
しかし、これも寸での所でかわされてしまった。
更に小十郎が追撃をしていくが一向に当たる様子はない。
「苛烈苛烈、流石は双竜。攻撃のキレがそこら辺の武将とは違うな」
「HA!そういうあんたは逃げるのがよっぽど上手いみたいだな」
「逃げる?卿らの行動を観察している…とでも言ってくれたまえ」
どうやら松永は戦う時、回避を多用しているのか攻撃をしても紙のようにひらりとかわしていく。
そのくせ、距離感が掴みにくく感じる。
相手を確実に捉えなければ、これでは当たるものも当たらない。
「…これは、ちぃっとばかし時間がかかりそうだな。相手が真田幸村のように猪突猛進な奴なら苦労はしねえんだが」
「厄介な男に目を付けられましたな、しかし次は確実に仕留めましょうぞ」
「おい小十郎、あんまり熱くなんなよ?こんな奴相手に」
戦ではどんな状況でも冷静さを欠いた者がまず真っ先にやられる。
落ち着いて、相手の動きをよく見て攻撃すればいいのだ。
言うのは簡単だが、実際にやるととても難しい事ではあるが。
2人は再び構え、攻撃を繰り出す準備をし、次はどうやって攻めようかと考える。
そんな2人に唯一口だけ動かせるが助言をした。
「あの人相手に距離を開けちゃ駄目だよ2人共!遠距離攻撃で炎が3方向に飛んでくるから!」
「!?何でお前がそんな事知って…」
「卿は怪力だけでなく人の心を読む力もあるのかね?丁度やろうと思っていた所なのだよ」
「かっ怪力って言わないで…凄いグサッて来るから!!!(滝涙)」
「では、卿らにその技をお見せしよう」
「!来ますぞ政宗さ…」
小十郎が叫ぶ頃には既に松永が距離を詰め、2人に急接近していた。
先程よりも桁違いに速いスピードに一瞬2人の対応も遅れる。
松永は隠し持っていた火薬を素早く2人にまくや否やすぐに後退し距離を取った。
まかれた火薬で身動きが取れなくなる政宗達に松永は凶悪な笑みを浮かべながら容赦なく追撃する。
「これが私のとっておきの技だ、2人仲良く燃えたまえ」
「「なっ…!」」
松永が剣を一振りした瞬間、真っ赤に燃え盛る炎が地を這う大蛇の如く2人に襲い掛かってきた。
の言う通り、その炎は3方向に分かれ恐るべき速さでこちらに向かってくる、攻撃範囲もかなり広い。
もしかすると炎の威力は、「紅蓮の鬼」と呼ばれた幸村と同等、もしくはそれ以上かもしれない。
政宗と小十郎は思うように動かない身体で何とか守りの体制を取るも、攻撃の全てを防ぐ事は出来なかった。
炎が纏わりつくように絡みつき、2人の身体にじわじわとダメージを与えていく。
「(shit…!こいつは本気で厄介な相手だぜ・・・!)」
政宗は小さく舌打ちした。
人質が松永の手中にある以上、いつものように派手に戦えない。
磔にされた斥候の柱にかけられている縄をいつでも切れる位置に松永がいるのだ。
戦場を縦横無尽に駆け巡り、嵐の如く敵を一掃するいつもの双竜の姿は何処にもなかった。
その後、松永とは何合か斬り合いをしていたが拮抗した状態が続き、じれる気持ちだけがただひたすら募っていく。
やがて松永は「これ以上戦うのは時間の無駄だ」と言わんばかりにため息をつき、剣を振りかざし柱の縄を切ろうとする。
早く宝を差し出さなければ縄を全部切ってしまうつもりだ。
「さっさせなぃっ…」
は力を使い果たし全く動かぬ体に鞭打ち、必死で立ち上がろうとした。
この中で自分が最も松永に近い位置、何としてでも止めなくては。
だが、心ではそう思っていても脱力した体は言う事を聞いてくれない。
動いて!
動いてよ私の身体!
振り下ろされた剣は1本の縄へと向かう、その一瞬がにはスローモーションのように見えた。
磔にされた斥候の兵の悲鳴と小十郎の制止の声が同時に木霊する。
今度こそもう駄目だと思われたその瞬間―――。
「待て!」
政宗が一際大きな声で叫んだ。
松永が握っていた剣が縄とすれすれの所でピタッと止まる。
叫ぶのが後一瞬でも遅かったら、もう少しで縄は切られていただろう。
崖の底へと落ちていく兵士の姿を想像しては、ドッと冷汗が出た。
小十郎も表情にこそ出さなかったものの、と同じ状態になっている。
そして叫んだ政宗はというと、握っていた刀を鞘へ戻し、両腰に携えていた無限六爪流を松永に向かって放り投げた。
ガキン!と6本の刀が地面に落ちる音が辺りに響く。
「くれてやるよ竜の宝…人質を解放しろ」
「政宗様!?」
「筆頭!?」
「はははははは!!!」
政宗が力なくそう呟くと、それを見るや否や松永は得物を握ったまま拍手をしながら高笑いをし始めた。
「いやぁ見事見事、卿は全くもって清らかな男だ。実に救い難い」
「宝を渡しちゃ駄目だよ伊達ちゃんっ!更に言うとそこには罠が貼ってあるんだから!!早くそこから離れて!」
「何!?」
「もう遅い」
松永がパチンと軽く指を鳴らすと同時に政宗が立っていた所に爆発が起きた。
政宗は爆風により空高く吹き飛ばされ崖下へと墜ちて行く。
「っぐああああああ!」
「伊達ちゃ―――――ん!!!」
「政宗様!!」
墜ち行く政宗を追いかけ小十郎も無我夢中で崖から飛び込んだ。
斥候達は「筆頭!!」「小十郎様!!」と口々に叫んでいる。
その声には絶望が色濃く表れていた。
は墜ちていった2人の姿を見て頭が真っ白になってしまう。
そんな面々をよそに松永は地面に置かれた6本の刀のうち1本を取り、勝ち誇ったような顔で言った。
「竜の爪、そしてとやら…確かに頂いたよ、はははははは!!」
欲していたものを全て手に入れ嬉々として叫ぶ松永には未だかつて人に向けた事のない「怒り」に満ちた表情で彼を睨みつけた。
言いようのない怒りが胸中から込み上げてくる、抑える事が出来ない程に。
「あんた…絶対許さないっ…!!」
伊達ちゃん…こじゅさん…どうか無事で…!!
NEXT
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松永の固有技とかない上に攻略本に詳しく載ってないので苦戦しました;;
ついに伊達殿吹っ飛ばされてしまいました(●□゜)ギャー!!
とりあえず人取橋篇はこれにて終了です、次は双竜の一騎討ち。
捕らえられたヒロインちゃんも次回何かをやらかす予定(何)
てかギャグが今回1つもない!!
ブラウザでお戻り下さい。