タイトル『第51話「捕らわれのお姫様と斥候達」』



瀕死の政宗が奥州に運ばれて、かれこれ数日が経った。
松永の卑劣な策に嵌まり大怪我をした政宗は意識不明の重体だったが、

家臣達の手厚い看護により無事目を覚ました。
が、しかし一方では達は松永に捕らわれたままとなっていた。



「出ーしーてー!!出してってば!出ーせー!!」

は、何処にあるかも分からない城に連れていかれ、

その一角にある鉄格子で出来た頑丈な牢屋の中で盛大に喚いていた。
有りっ丈の力で鉄の扉をこじ開けようとガシャガシャと激しく鳴らす。
当たり前だが扉はビクともしない、最もの十八番の技さえ発動すれば

あるいは何とかなっていたのかもしれないが
余りにも騒ぎまくるに見張りをしていた門番が怒鳴りつけた。

「おい、五月蠅いぞ!少しは静かにしろ!」
「静かにしろって言われたら逆に五月蠅くしちゃうのが人間の性だもん!

出してくれないなら自爆してやるー!
(どうやって!?)

ここ数日間、はこの牢屋からどうやって脱出しようかとあらゆる策を練っていた(但しどれも良い案ではないので自分で却下していたが)
鍵の場所なら既に知っている、門番の腰にブラ下がっている沢山の鍵の内のどれかだ。
あれさえ手に入ればこっちのものなのだが、今の状況で手に入るチャンスがやってくるはずもない。
目的の物は目の前にあるのに、少し腕を伸ばせば届くような距離にあるのに。
チャラチャラと鳴る鍵の音を聞くと手に入れられないもどかしさだけが只ひたすら込み上げてくる。
後、何日ここに閉じ込められるのだろうかこのままどうなってしまうのかの頭に色々な不安がよぎる。
何より一番気掛かりなのは政宗の事だ、怪我を負った彼は今頃どうしているだろう。
彼には小十郎が付いている、きっと大丈夫だと自分に言い聞かせてはいてもやはり心配だ。
こんな薄暗い所に何日も閉じ込められていると、いつも明るいも流石に気が滅入ってしまう。

「うぅもう駄目かも

すっかり弱気になってしまい静かになり始めたを見て、

隣の牢屋に入れられていた伊達軍の斥候達が一生懸命励ます。

「姐さん、諦めちゃ駄目ですぜ!」
「そうだそうだ!俺達だっているんスから!」
「例え脱出するのが無理でも、きっと小十郎様が助けに来てくれますよ!」
「み皆ぁ!!有難う愛してる!!!
「姐さんに、そう言って貰えるなんて俺ら幸せッスー!!」
だから、お前ら少しは静かにしろー!!

牢屋に入れられていなければ、きっと皆暑苦しい程に抱擁をカマしワンワン泣いていた所だろう。
言う事を聞かず、そして一向に静かにしない達に見張りをしている門番のストレスは鰻登りだった。
そんなこんなで大騒ぎ(?)していると牢屋に2人の兵士が現れた。
1人は鎧を見る限り交替で牢屋に来る松永の兵士だったが、もう1人は見慣れない鎧を着た足軽のようだ。
両腕を後ろで縛られていて兵士に後ろから押されているのか

ヨタヨタと今にも前のめりにこけそうな足取りでこちらに向かってくる。

「そら、さっさと歩け!」
「ぅわっいててててっこけるこけるっ!ったく乱暴だなぁ!」
「おい、何だこいつは?」
「さっき城の周りをウロついててな、如何にも怪しいから捕らえてきた、さぁ大人しくこの牢屋に入ってろ!」
「はいはい

あぁこの人も今日から私達と同じ牢屋生活か可哀想に。
よりにもよって極悪非道の松永に捕まるなんて、この人も相当運がないあ、私達もかがホロリと涙を流したのも束の間。
ヒュンッと風を切るような音がするや否や、その場にいた2人の門番がドサッと地に伏せて倒れてしまった。
どうやら片足だけで門番をノシてしまったらしい。
一瞬の出来事に何が何だか分からないはポカンとするしかなかった。
斥候達も同様に揃って口を開けたままだ。
牢屋に入れられかけた見ず知らずの若い兵士は爽やかな笑顔を振りまき

「道案内、御苦労様」と言って倒れている門番に一瞥した。
両腕を縛っていた縄は何処から出して来たのか刃物で切り、

自由になった彼は門番の腰に付いている無数の鍵を取ると達が入っている牢屋の扉を開錠し始めた。
何故、初対面なはずの彼が自分達を

「あっあのどなた様で致しますでありましょうか?」
「アレ、やだなぁ俺の事忘れちゃったの?あぁ声色変えてたし変装してたから分からなかったかな?俺だよ、オ・レ!」
「!!そっその声まさか!なっなるっなるっ
「そのまさか!伊達三傑の1人、なるみちゃん参上〜!ってね(正:しげざね)

いや〜無事で何よりだよ、怪我もなさそうだし梵天に殺されずにすむってもんだ」
「「「成実様ー!!!」」」

成実と知って心底安心したのか涙と鼻水を同時に出しながら泣く斥候達。
「お前ら嬉しいのは分かったけど汚いし、良い歳した漢が盛大に泣くなよ、みっともねぇなぁ」と苦笑しつつなだめる。

「ところで、なるみちゃん1人で来たの?他の皆は?」
「皆は一時撤退、主君があんな状態じゃ兵も動かせられないからね」
「あんな状態って伊達ちゃんは!!」
「大丈夫、あんな罠でやられるような男じゃないよ梵天は」
「ううん」

それにしても1人で敵地に乗り込むとは怖い物知らずな男である。
しかし実力があってこそ起こせる勇気ある行動なのだろう、何せ彼はあの伊達三傑で「武人」と称される人物なのだ。
彼が本気を出して戦っている所をはまだ見た事がなかったが、恐らく腕は相当なものに違いない。

「さぁ、この話の続きは無事に城に帰ってからだ。いつまでもこんな辛気臭い所にいないで早く脱出しよう!」
「うん!」



 

 


その頃、米沢城の一角では何やら騒がしい事になっていた。
怪我もロクに治っていない政宗が部屋を飛び出し、松永の元へ行こうと言うのだ。
六爪流という自慢の得物も奪われたまま、ただ1本の刀だけを持って。
そんな政宗を止めない家臣はいるはずもなく。
傍にいた小十郎が血相を変えて必死で彼を止めようとした。

「お待ち下さい政宗様!その体で松永の所に行くのは危険です!」
「止めんじゃねえ小十郎!俺が行かねえでどうする!!仲間が人質になってんだぞ!!」
「ですがそのような状態では!!」
「言っておくが仲間を見捨てたお前に俺を止める権利はねえ!

それ以前に今のお前が俺を止められるとは到底思えねえがな!」

それを言われてぐっと怯む小十郎。
残念ながら今の小十郎は非戦闘モードの漫画版なのだ。
つい今し方まではゲーム版だったのだが、

何かのスイッチがOFFになってしまったのか「しぽん」と可愛い音を立てて急に元に戻ってしまった。
極殺ゲーム版でいるには、それなりにエネルギーがいるらしく、ずっと逞しい姿を維持する事は出来ないらしい。

確かに今の私では貴方をお止めする事は出来ません。格なる上は行けっ綱元!君に決めた!
「まかせ
What!?

無表情な綱元は、何故か懐から投げ縄を出してヒュンヒュンと回しながら勢いよく政宗に向けて投げる。
普段の政宗ならば軽く避けられるが、生憎今の彼は怪我をしている身。
いとも容易く捕獲されてしまう。
捕縛された時にズササササッと擦れる音が何とも痛そうだ。
しかし小十郎は思わずガッツポーズをする始末。
それを偶然近くで見てしまった兵士が「何処の西部劇だ」と密かにツッコんでいたのはここだけの話。

捕獲!!政宗様GETです!!
Shit!!てめーら俺を暴れ馬か何かだと思ってねえか、この扱い!!」
「そんじょそこらの暴れ馬よりもだいぶタチが悪いと思いますがね。

それにしても、この程度で捕まるとはこれはますます行かせられませんね

小十郎の綺麗な顔が黒い笑顔に染まってはいるが、彼は心底政宗の事が心配なのだ。
ここは何としてでも引き止めて、彼の代わりに自分が松永の元へ行かねば。
そんな家臣の心配や思いをよそに政宗は直も立ち上がる。

Ha!そんなに俺を引きとめてえなら俺を倒すんだな小十郎」
「なっ何を仰られます政宗様!?主君を倒すなど馬鹿な事を言わないで頂きたい!!」
「出来ねえなら俺は行くぜ

自分を真っ直ぐ見据えてくる竜の目に迷いはない、小十郎も目を逸らさずに真っ直ぐに政宗を見ていた。
隣でまだ投げ縄をブンブン回して空気を読もうとしない綱元は、「どうするんだ?」と目で問いかけた。
小十郎は観念したのか半ば諦めたような表情で溜息をつき、自分の刀を取り出した。
鞘から抜いた愛刀・黒竜が稲光を妖しく纏い始める。

「貴方の覚悟はよく分かりました、この小十郎全力で貴方を引き止めるべく戦いましょう。もうどうなっても知りませんよ」
「上等だ

ニヤッと好戦的に笑う政宗も刀を鞘からゆっくりと抜く。
そして抜いたと同時に小十郎は瞬時にゲーム版の姿に戻り、彼の周りの空気が即座に殺気立った。
どうやらスイッチが再度ONになったらしい(待て)
ついでに、いきなり極殺モードに突入してしまう。



いつも思うが、お前の変身は一体どういう仕組みになってんだ
「実は俺にもさっぱり分かりません

かくして双竜の一騎討ちが今まさに始まろうとしていた

 


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お待たせしました、久し振りの更新です(><)
実に3か月振りでしょうか亀並の更新で申し訳ありません;;
とりあえずヒロインちゃん達は早々に脱出です。
余談ですが伊達軍の斥候達イメージとしてはアニメで出てた伊達軍兵士トリオだったりします()
あのリーゼント君は良いキャラしてましたね本当。
彼の自慢のリーゼントが切れた時は友達と一緒に「切れちゃったー!!」と叫びました。
さて、お次はいよいよ双竜一騎討ちのお話です、気合いとギャグ入れて頑張りますよー!フンハァッ!!(`Д´>=3
てか、真面目にしめる気がこの終わり方ってどうなの実際問題!!(爆死)
ブラウザでお戻り下さい。


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