『「ある日の午後の風景」』



今、俺は無性に苛立っている。
それはもう、このスラム街を半壊したい程に。
原因なんて分かり切ってる。
目の前で繰り広げられる光景が気に入らないからだ。
って言うか、おっさんがあいつの隣にいるのが気に入らない!!


【ある日の午後の風景】


事の始まりは仕事を持って来たレディが呟いた一言だった。
キッチンでダンテと仲良く並んで立つの姿を見て

まるで新婚ほやほやの幼妻みたいね」

と言った。
を好いているちょっと無茶苦茶な所ありの純情青年ネロにとっては、核を投下されたようなものである。
何やら背景でチュドンと爆音が鳴ったのは気のせいにしておこう。
が、ネロはが淹れてくれた紅茶を盛大に噴いた。

「ちょっ汚いわねぇ坊や」
「あんたがいきなり変な事言うからだ!後、坊や言うな!!」
「ネロ紅茶美味しくなかった?」
「あっいやそんなんじゃねーから!」
「ちゃんと片付けろよ坊や」

うっせぇ分かってる!と言いながら、へらへら笑うダンテにいつもの3割増でガンを飛ばし、プチ悲惨な事になったテーブルを拭き始めた。
本当ならばブルーローズを脳天にぶっぱなしたいところだが、がいる手前迂闊にそれは出来ない(レディはいいのか)
とダンテは再びキッチンに目を向け作業を再開する。
その後ろ姿を見て「一体何処をどう見れば新婚なんだ」とぼやいた。
幼妻の部分には共感したらしい。
そんなネロを横目に紅茶を飲みながらレディは更に言う。

「ぐうたらなダンテには勿体ないけどね、あの娘。が来てからここのもてなし方がだいぶ変わったわ、以前ならお茶すら出てこなかったもの。

それに部屋だって綺麗。料理も美味しいし、私の所に来て欲しい位だわ」
があんたみたいな攻撃的な女と一緒に暮らしてみろ、それこそ白が黒に染ま
何か言ったかしら?(超絶笑顔)
「別に」

何処から出してきたのかカリーナ=アンをネロの頭に突き付けた。
爽やかな笑顔とは裏腹に零距離射撃で殺る気満々である。
昔はこれで初対面のダンテに向かって盛大にミサイルを放ったものだ(マトリックスをされてしまったが)

「それにしても、ほんっと新婚にしか見えないんだけど。砂糖吐きそうね」
「だから何処をどうしたらそう見え
「坊やも2人の会話聞いて御覧なさいよ」

クィッと親指を2人の方向に向けてネロに促す。
ネロは渋々、彼女の言う通り2人の会話に耳を澄ませみた。

「レモンパイ焼けたレディさんのお口に合うかなぁ
「大丈夫だろ。お前の作ったものはどれも旨いからな」
「それはダンテの好みに合うように作ってるんだもの旨い不味いは別として
「あぁ知ってる、これはもう愛だな愛」
「ちっ違う!!///(聞こえないと思ったのに!!)」

がいつもより小さく言った言葉を彼は聞き逃さなかった。
その瞬間、ネロは氷の悪魔フロストの如くフリーズ。
氷河期が来てしまったかのように凍てついている。

そうかそうだったのか。
通りで毎回出てくる料理が濃かったり甘かったりする訳だ!!!

ネロは、ほんの少し前に言った自分の発言を呪った。
仕事の依頼を持ってきたレディが事務所に訪問、は客人をもてなす為にお茶の用意をし始める。
程無くしてに頼まれていた買い物を終えて事務所に帰ってきたネロは相変わらずぐうたら全開なダンテに向けてこう言った。

「おっさん手伝ってやれよ、いつも怠けてばっかでさ少しは動けよな」

物凄く呪った。
こんな事なら自分が手伝えば良かったと激しく後悔したが時既に遅し。
もし自分があそこで手伝いをしていたら、今頃の隣に立っているのはダンテではなく自分だったのに。
心の底から「キリエ―――――ィ!!」と叫びたくなった。
ソファで悶絶するネロ、そんな彼の心を読んだかのようにレディはさも楽しげに追い打ちをかける。

「坊やが並んだら何だか兄妹みたいに見えるわね、あっ姉弟かしら
!!!!!」

ネロ危うく憤死、対する彼女はネロの反応を見て笑いを堪えるのに必死だ。
兄もアレだが、いくら何でも弟はないだろう。
言っておくが自分はよりいくらか歳は上である。
せめて彼氏位には見えるはず!!(注:ネロ的願望
そんな事を悶々と考えていると焼き立てのお菓子を持ってきた2人が何も知らずにキッチンから戻ってきた。
何だか1人百面相しているネロには「?」を浮かべ首を傾げる。

「ネロ、どうしたの?凄い顔してる
「大方レディにからかわれたんだろ、まだまだ坊やだな」
「本当。若いっていいわね、ダンテ」
「若いっていいな無茶苦茶で。で何の話してたんだ?」
「あんたには関係な「キッチンに並んで立つダンテとが新婚みたいって話をしてたのよ、どう見てもが幼妻に見えるんだもの」
えっ!?ダンテと私が!?」

いいい言うな、このアマ―――――!!!
俺は断じてそんな風に見えるとは一言も言ってねえぞ!!

あの魔帝ですら裸足で逃げ出すような表情全開の顔をレディに向けたネロ。
その顔と言ったらがビビって思わずダンテの後ろに隠れてしまう程である。
「堪忍袋の緒が切れる」という言葉がこの世にあるが、今がまさにその一歩手前だ。
そろそろネロにも限界が近い、緒が切れるのももはや時間の問題か。

「レディさん、何言ってるんですか!ねぇダンテも何か言って
「ん?俺は別にそう見えても構わねえけどな。それにしてもが幼妻か何か犯罪だな。

仕事から帰ってきて「御飯にする?お風呂にする?(以下略)」なんて言われたら速攻で襲いたくなる」
「ダンテ――――――!!!」
「おっさ―――――ん!!!」
「あら珍しい、坊やはともかくがこんなに大声張り上げるなんて。真っ赤になっちゃって可愛らしいわね」

の初々しい反応を見て微笑ましく思ったのかクスクスと笑うレディ。
ネロはネロでそれどころではない、「そんな事があってたまるか!」と喚き始めた。
挙句、「表へ出ろ、おっさん!」と得物を持ってドアに向かって指をさす始末。
対するダンテは、めんどくさいオーラを全身から出していたが、このまま行けば確実に大乱闘になるのは目に見えている。
既にネロはスナッチでダンテを掴みあげていた。
レディはネロが大人しくなるように、ある質問をにしてみた。

「じゃあダンテじゃなくて、そこの坊やだったらはどう思う?」
「え!?」

途端、ドアに向かってダンテを投げようとしていたネロの動きが面白い位にピタッと止まる。
予想通りの反応だ、がどう答えるのか気になるのだろう。
分かりやすいというか何というか

「やめとけ。この俺でさえ手に余るようなデンジャラス坊や、お前の手に負える相手じゃな「誰のせいだ誰の!!!」
「私からしたらあんたも大概手に余るデンジャラスおっさんだと思うけどね。で、どうなの?」
「ネロはそのネロは

がネロの事をどう思っているのかは、ここにいる3人全員知らない。
どんな答えが返ってくるのか、ネロだけじゃなく2人も気になった。







「ネロは








ネロはごくりと喉を鳴らす。
言うまでの間の時間が凄く長い。
ここまでで実は5分は経過している。
まるで1000万獲得の某クイズの最終問題で正解か残念かという言葉を聞くまでの長さのように感じられた。
やがては小さな口を開く。


「世話の焼ける弟みたいな感じです。どちらかと言うと」

そう聞くや否やネロはバターン!!と派手に音を立てて前のめりに倒れてしまった。
余程ショックを受けたのか顔は青ざめている上に白目を向いていた。
御愁傷様と言ったところか。
スナッチから解放されたダンテは倒れたネロを見て「こりゃあ復活するのは数ヵ月先だな」と呟いたのだった。


FIN
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寝る前にちょっと思いついた超絶ベタベタ(ここ強調)な小ネタ、別名「ネロ坊恋愛奮闘記」(ネーミングセンス最悪ですな)
実はこの続きを考えていたりしますが、どうなるかは不明;;
新婚さんのキッチンでの会話ってどんな内容なんだろうね的な事を

友達と電話で話していたら「それを俺に聞くのか」と返された罠。
この話書いてたら何故か砂糖を吐きそうになりました。
頑張れ坊や!()
ちなみにレモン系のお菓子は管理人の大好物。
ブラウザでお戻り下さい。


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